キャバクラ・ホストクラブを開業するのに必要な許可 | 風俗営業・1号許可
風俗営業許可は、店舗の所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会へ申請します。風俗営業には1号から5号までの区分があり、キャバクラやホストクラブのように客に対して接待を行う飲食店は「社交飲食店」に該当し、「風俗営業・1号許可」を取得する必要があります。
なお、無許可で営業を行った場合には、個人であれば「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、またはその併科」、法人であれば「3億円以下の罰金」といった非常に重い罰則が科されます。事業開始前に必ず許可を取得することが重要です。
本記事では、キャバクラやホストクラブを開業する際に必要となる「風俗営業許可(1号)」について、基本から実務的なポイントまでわかりやすく解説していきます。
風俗営業・1号許可とは
キャバクラ・ホストクラブ・ラウンジなど、接待を伴う飲食店は、法律上「社交飲食店」に分類され、開業前に「風俗営業・1号許可」を取得しなければ営業することができません。
ここでいう「接待」とは単なる接客とは異なり、風営法上では「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義されています。実務上は判断が難しいケースもありますが、以下のような行為が接待に該当するとされています。
【接待行為とは】
- 特定少数の客の近くに座り、継続して、談笑したり、お酌をする行為
- 特定少数の客に対して、客室内でショーやステージを見せ、又は聴かせる行為
- 特定少数の客の近くに座り、カラオケを勧めたり、手拍子したり、デゥエットする行為
- 特定の客と接触しながら、ダンスをさせる行為
- 客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為
このような行為がある場合は、飲食店であっても通常の営業許可だけでは足りず、「風俗営業・1号許可」が必要となります。
風俗営業・1号許可の取得ポイント
風俗営業許可を取得するためには、大きく分けて「人的要件」「場所的要件」「構造・設備的要件」の3つを満たす必要があります。これらはいずれも重要であり、どれか一つでも欠けると許可は下りません。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
人的要件
申請者が風営法の欠格事由に該当する場合、許可を受けることはできません。法人の場合は代表者や役員、管理者、個人の場合は営業者および管理者が対象となります。
「管理者とは」
「管理者」とは、店舗の運営を実質的に管理する責任者のことで、通常は店長などが選任されます。管理者は各店舗ごとに必要であり、複数店舗の兼任はできません。また、3年に1度の法定講習の受講が義務付けられています。
【欠格事由】
- 破産者で復権を得ない者
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪(風営法第4条第1項第2号に列記)を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 集団的、常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
- 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
- 風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
- 法人の役員、法定代理人が上記の事項に該当するとき 等
場所的要件
キャバクラやホストクラブは、どこでも自由に開業できるわけではなく、営業可能な場所が厳しく制限されています。特に用途地域や周辺施設との関係が重要です。
また、「保全対象施設」として指定された施設の周辺に店舗を設置することは制限されています。
詳しく見てみましょう。
用途地域における制限
東京都では、条例により営業が禁止されている用途地域が定められており、これらは「住居集合地域」と呼ばれます。以下の地域では営業ができません。
「営業が出来ない地域」
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域及び田園住居地域
これらの地域に少しでもかかる場合は許可が下りないため、物件選定の段階で十分な調査が必要です。実務上、営業可能なエリアは「商業地域」または「近隣商業地域」に限られるケースがほとんどです。
保全対象施設
さらに、学校・図書館・病院などの「保全対象施設」から一定距離を確保する必要があります。これは地域の環境保全の観点から設けられている規制です。
対象施設や距離の基準は都道府県ごとに異なるため、事前に確認が必要です。また、既存施設だけでなく建築予定地も対象となる点に注意が必要です。
【東京都の場合】
| 学校(大学を除く) 図書館・児童福祉施設 | 大学 病院(第1種助産施設含む) 診療所(病床8床以上) | 第2種助産施設 診療所(病床7床以下) | |
|---|---|---|---|
| 商業地域 | 50m | 20m | 10m |
| 近隣商業地域 | 100m | 50m | 20m |
| その他 | 100m | 100m | 100m |
構造・設備的要件
店舗の構造や設備についても厳格な基準が設けられており、これに適合しなければ許可は下りません。内装工事の前段階で設計を確認することが重要です。
「構造及び設備の技術上の基準」
- 客席の床面積は1室16.5㎡以上(和風の場合9.5㎡)とする。 ※ただし、客室が1室の場合は制限なし。
- 客室の内部が店舗外部から容易に見通すことが出来ない。
- 客室の内部に見通しを妨げる設備(おおむね1m以上)を設けない。
- 善良な風俗等を害するおそれのある写真、装飾等の設備がないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備がないこと
- 営業所内の照度が5ルクス以下とならない
申請
申請書類が揃ったら、いよいよ申請です。風俗営業許可の申請は、店舗所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会へ申請します。いきなり申請に行っても対応してくれませんので、管轄の警察署へ事前予約の上、申請しましょう。
申請書類に問題がなければ受理されます。申請手数料24,000円を支払い、実査(構造検査)の予約を取り、その日は終了となります。
書類や図面に問題があれば受理はされず、修正の上、再度予約を取る必要があります。
実査
風俗営業許可を取得するためには、提出した書類・図面と、実際の店舗が一致しているのかの確認を受ける必要があります。この確認作業を「実査」と言います。
実査は、風俗環境浄化協会の調査員によって行われます。調査員は警察OBの方が多く、地域によっては生活安全課の警察官が一緒にくることもあります。
実査でチェックされる主な項目は以下となります。
- テーブル・椅子の配置、照明の数、音響の設置など、平面図と合っているか
- 客席、調理場、営業所の寸法が求積図と合っているか
- 店舗の明るさ、スライダックスなど調光式の照明スイッチの有無
- 客室の内部が店舗外部から見通せないか
- 客室の内部に見通しを妨げる設備はないか
- 二重扉に鍵はないか
- 「18歳未満立ち入り禁止」の掲示があるか ・従業員名簿、苦情処理簿(午前0時以降営業の場合)はあるか
ご依頼の流れ
- お問合せまずは、電話または予約フォームからご連絡願います。
- 打ち合わせ店舗の状況確認、今後のスケジュールについてご相談させていただきます。
- 書類の収集・申請書の作成必要書類の収集、図面の作成を致します。
- 申請申請書類が揃いましたら警察署へ予約をし、申請をします。
- 実査申請が受理されると浄化協会の調査員による店舗の立ち入り検査が行われます。
- 許可審査期間は申請受理からおおむね55営業日となります。